
今回は工場・倉庫を計画中のお客様に向けて、工場倉庫の建設時の想定外費用の一つである消防設備についてご紹介します。
工場・倉庫は多くの資材や製品、さらには従業員が集まる場所です。
そのため、火災などのリスクに対する備えが不可欠です。
建築基準法や消防法では、こうした施設における消防設備の設置が厳しく規定されています。
目次
Toggle①工場・倉庫建設において設置可能性の高い消防設備
1. 消火器

最も基本的な消防設備で、初期消火に効果的です。
一般的に床面積150㎡以上で設置が求められます。
設置間隔や配置場所は、消防法施行規則に基づいて定められています。
2 .屋内消火栓設備

一般的に床面積700㎡以上で消火栓の設置が求められます。
工場・倉庫に設置される屋内消火栓には従来からの通常2人の操作による「1号消火栓」と、
1人でも操作が可能な「易操作性1号消火栓」があります。
消火栓の能力やホースの長さなど消防法施行規則に基づいて定められています。
消火器だけでなく消火栓を利用した消火活動が迅速に行えるよう、使用方法の周知も重要です。
3.スプリンクラー設備

火災が発生した際に自動的に消火剤を放出する設備で、
一定規模以上のラック倉庫や工場で設置が求められます。
貯蔵・取扱をする物品の種類や数量によって設置基準が異なるため、設計時に注意が必要です。
4 .自動火災報知設備

火災を早期に検知するために設置される設備です。
煙感知器や熱感知器が異常を検知すると、自動的に警報を発し、消防機関に通報されます。
一般的に床面積500㎡以上で設置が求められます。
取付面の高さや設置場所により使用できる感知器の種類が変わります。
5.誘導灯・誘導標識

誘導灯や誘導標識は建物内の安全性や効率性を確保するために重要な設備です。
誘導灯は非常時や停電時に視認性を確保するために点灯し迅速かつ安全な避難を支援します。
誘導標識は、通路の方向、出口、または避難経路を明確に示すために設置されます。
工場・倉庫では避難上、または消火活動上において有効な開口部を有しない場合に、
誘導灯の設置が求められます。
誘導標識は基本的には全てにおいて設置が求められます。
②消防設備の設計と基準
消防設備の設置には、消防法や建築基準法に基づく厳格な基準があります。
例えば、以下のような要件が定められています。
1.施設の規模や用途による違い

倉庫や工場の床面積、用途、収容人数によって、設置が義務付けられる設備が異なります。
例えば、床面積が一定以上の工場・倉庫には屋内消火栓設備が必須です。
2.危険物の取扱い

工場・倉庫で危険物を扱う場合、特別な防火設備や耐火性能を有する建材の採用が求められます。
3.法改正への対応

近年、火災リスクの高まりや技術の進展を受けて、法改正が行われることがあります。
最新の基準を常に把握し、計画に反映させることが重要です。
③最後に
今回のコラムで取り上げたものは消防設備の一部となります。
建物の用途や構造、建設する地域によっても基準が変わる場合があります。
従って消防設備の設置には建物の設計段階から消防設備士や建築士と連携し、適切な配置を計画することが重要となります。
また、倉庫や工場の建築における消防設備は、単なる法的義務にとどまらず、施設や従業員の安全を守る生命線です。
火災リスクを正しく評価し、適切な設備を導入することで、災害に強い施設を実現することができます。
これから倉庫や工場を建築する際には、ぜひ消防設備の重要性を再確認し、十分な対策を講じてください。
弊社でも新築時の建物プランとともに消防設備の提案もさせていただいておりますので、消防設備に関するご相談もヨネダにお任せ下さい。

入社11年目の33歳です。工場・倉庫の建設への不安を少しでも無くせる様にコラム記事の記載を始めました。
休日は、4歳の息子と遊ぶ(遊ばれる?)のが一番のリフレッシュです。
工場・倉庫の新築工事を長年専門としておりますので、お気軽にお問い合わせください。