換気設備、排煙設備、非常用の照明装置、給水設備及び排水設備といった建築物に設置された設備を建築設備といいます。
建築物の所有者・管理者は、建築物利用者の人命を守るために、定期的に建築設備を点検し、その結果を監督官庁に報告する義務があります。
映画館やパチンコ店等といった一定の規模、用途をもった特殊建築物に関しては、原則として1年に1度は建築設備の点検が必要になります。(建築基準法12条)
ガス器具を使用する場合には空気中の酸素必要です。その酸素を供給し、室内の空気を新鮮に保つのが換気設備です。
例えば、換気扇の油汚れなどにより換気量が不足し、ガス器具が不完全燃焼を起こし、一酸化炭素が発生することがあります。
換気設備の点検では、換気扇やレンジフードの風量や作動、運転状態を検査します。
火災時に発生する有毒な煙や熱を外へ排出し、避難経路を安全に確保するための設備をいいます。
排煙設備には、機械排煙設備と自然排煙設備があります。
■機械排煙設備
防煙区画、排煙口の開閉、手動開放装置、排煙機の運転状況を検査します。
■自然排煙設備
防煙区画、排煙窓、手動開放装置を検査します。
火災や地震などによって停電した場合、避難経路に必要な明るさを確保し、スムーズな避難ができるようにする照明装置です。
照度計により規定の明るさを測定し、非常用電源、性能などの検査も行ないます。
日常生活に欠かせない水の供給や排水を確保するための設備をいいます。
公共水道を受水槽に受け、高置水槽や加圧ポンプから配管を通って各家庭に供給するのが一般的であります。
給排水設備や排水設備が正常にはたらき、不衛生な飲料水を供給しないよう、又そうした事故がないように、給水設備機器・排水設備機器・配管などの状況を検査します。また塩素処理された水が、基準値以上であるか、測定器で検査します。
近年、定期報告が適切に行われていなかったことが一因と思われる事故が多発しているこから、平成20年4月1日から「定期報告制度」が変更されました。それに伴い建築設備定期検査の内容も変更されています。
平成13年の新宿雑居ビル火災、平成18年のエレベーターにおける死亡事故、平成19年の吹田のコースターにおける死亡事故などの事故が相次ぎ、多くの負傷者や死者を出しました。
これらの多くは定期報告が適切になされていない事が原因と見られていますが、定期報告を適切にされた場合でも、建築基準法上の位置づけの不明確さ、検査の判定基準が曖昧ということもあり平成20年4月に建築基準法施行規則の一部を改正し、定期報告制度の運用を根本的に強化することになりました。変更後は判定基準が以下のように定められました。
| 要是正 | 要重点点検 | 指摘なし |
|---|---|---|
部品の交換や修理による是正が必要な状態であり、所有者に対して是正を促すもの。 報告を受けた特定行政庁は、所有者に速やかな是正の意志がないなどの場合、必要に応じて是正状況の報告聴取や是正命令を行うこととなります。 |
次回の調査・検査までに「要是正」に至るおそれが高い状態です。 所有者などに対して日常の保守点検で重点的に点検と、要是正の状態に至った場合の速やかな対応を促すものです。 |
要是正および要重点点検に該当しないものです。 ※なお、要是正および要重点点検に該当しない場合であっても、特記事項として注意を促す場合もあります。 |
| 変更前 | 変更後 |
|---|---|
| 建設設備等 | |
重要項目以外は摘出検査(数回で検査対象を一巡するよう留意) |
原則として全数検査とし、国土交通大臣が定める項目(換気量測定、排煙風量測定など)は実質的に1/3の抽出も可能検査結果の報告の際に、以下のものを添付 ●換気設備 → 換気状況評価表と換気風量測定表 ●排煙設備 → 排煙風量測定記録表 ●非常用の照明装置 → 照度測定表 |